三汗のススメ
はじめに
令和六年度がスタートしてから四ヶ月、早いものでもうすぐ夏休みとなります。
東京都一水会会員の皆様におかれましては、各学校でご活躍のことと拝察いたします。
昨年度に引き続き東京都一水会の会長を務めさせていただきます江東区立枝川小学校長 加藤 勲です。
今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。
学校を取り巻く現状
ここ数年、年度当初に各学校の管理職の頭を悩ませる課題の一つに、教員の人材確保が挙げられます。
昨年度より正規の教員定数の不足数は減少したものの綱渡りの状況で新学期が始まった学校も多いのではないでしょうか。
それ以上に、産育休代替教員をはじめ臨時的任用教諭が見つからず、指導法工夫改善で加配された教員が急遽担任となったり、人員が見つかるまで管理職が担任したりしなければならない学校が数多くあると聞いています。
まさに、これからの学校経営は、多種多様な困難を乗り越えていかなければなりません。
一水会が目指すもの
東京都一水会は、東京都の教育を担う管理職や4級職教諭、主任教諭を育成することを大きな目標としています。
昭和四十三年の結成以来、数々の先輩方から受け継いだ熱意ある研修を通して、その役割を果たしてきました。
東京都一水会の代名詞として「研修の一水」「人材育成の一水」と言われるのは、これまでの実績が物語っています。
昨年度からお話させていただいていますが、各種選考に合格することがみなさんのゴールではありません。
その職に就いた後、ご自身は「何ができるか」「何をするのか」「どのようにその職を全うするのか」が問われています。
今年度も、まずは各種選考に合格できる人材を育成する研修を実施していきます。
そして、その後の成果を挙げられる管理職やミドルリーダーの育成に向け、「研修の一水」として、バックアップしていく体制を整備して参ります。
そのために、一水教育研究所の豊富な経験のある所員と連携した研修を取り入れより実践に活かせる能力を高めていきます。
また、主任教諭選考の研修においては、今年度は延べ500名を超える教員が研修に参加しました。
そのため、その他の研修を含め研修を運営していくためには、本部役員はもちろんのこと指導校長先生のご協力も不可欠です。
是非とも、各支部を挙げて、これからの学校教育を担う「人材育成」にお力沿えください。
憧れの管理職・リーダーになるために
私は、今年度、定期総会等で「三汗のススメ」と題してお話をしています。
皆さんも初任者の頃、目標にしたり憧れたりした管理職やリーダーがいたのではないでしょうか。その方々は、「脳に汗をかく」「身体に汗をかく」「心に汗をかく」ことを積み重ねてきたのではないでしょうか。
「脳に汗をかく」・・・企画や計画、創造・発想に頭を使う。
「身体に汗をかく」・・自分が率先して行動し、周りの教員をリードする。
「心に汗をかく」・・・いじめや不登校への対応や、周りの教員への気遣いなど思いやりの心に長けている。
「教育は人なり」という言葉がありますが、「管理職は人なり」「リーダーは人なり」です。
令和六年度も、会員の皆様と共に、軌を一にして、東京都の教育と子供たちのために、会の運営に全力を尽くしてまいります。ご協力をよろしくお願いいたします。
東京都一水会会長 加藤 勲